浅野法律事務所・弁護士報酬規程・解 説
平成16年(2004年)4月1 日より
『(序)「 浅野法律事務所・弁護士報酬・基準書」の明示にあたって−− 』
「2003年(平成15年)の通常国会で弁護士法第33条が改正、
会則事項から『弁護士の報酬に関する標準を示す規定』が削除。
同年11月12日の日弁連臨時総会の決議により、従来の弁護士報酬等基準規程
(会規第38号)が、2004年(平成16年)4月1日から廃止。
それ以降、弁護士会としての報酬基準はなくなり、弁護士報酬はいわば『自由化』
され、弁護士は、個々に、新たな報酬基準を準備する必要が生じる」
−−以上、「日本弁護士連合会ホームページ」より抜粋。
当「浅野法律事務所・報酬規程」は、旧「日本弁護士連合会・報酬等基準規定」
及び、旧「東京弁護士会・弁護士報酬会規」及び、「クレジット・サラ金処理の東京
三弁護士会・統一基準」を参照して、規定・作成されております。
事件依頼時(相談または受任)から事件解決時までの随時、
本「浅野法律事務所・報酬規程」を基に、各依頼者の、個々の内容に合わせて、
弁護士と「協議・確認(契約)」をする事になります。
『 浅野法律事務所・報酬規程表(基本表&別表01〜04) 解説・補足 』
−−当解説ページ内・目次(直接、該当箇所にジャンプできます)−−
0.始めに.「 弁護士の費用の種類 」
1.「法律相談」
2.「顧問料」
3.「手数料」
4.「通常の民事事件」
5.「離婚」
6.「破産・民事再生」
7.「債務整理(任意整理)」 6−7補足.「(追加)訴訟費用」
8.「刑事事件」
9.「少年事件」
10.「日当」
11.補足.「一覧表内に詳細が無かった規定・事件・案件など」
0.始めに.「 弁護士の費用の種類」
弁護士に、事件処理や法律事務を依頼する場合、弁護士報酬が必要です。
弁護士報酬の種類として、着手金、報酬金、手数料、法律相談料、顧問料、
日当、の6種があります。
その他処理に実費( 当然「報酬一覧表」には載っておりません)がかかります。
・ 着手金
着手金は事件の結果のいかんに拘わらず、事件を弁護士に依頼する段階で、
お支払い頂きます。
事件の結果には関係なく、つまり不成功に終わっても、返還はいたしません。
なお、着手金は、つぎに説明する報酬金の内金でも、いわゆる手付でもありません
ので、ご注意願います。
・ 報酬金
報酬金はご依頼の事件が成功した場合、依頼者の受けた利益の程度に応じて、
事件終了の段階で、お支払い頂きます。
成功というのは、一部成功の場合も含まれ、その度合いに応じてお支払い
頂きますが、まったく不成功の場合(裁判でいえば全面敗訴、破産でいえば
免責不許可)は、必要ありません。
・ 手数料 ( 詳細後述 )
手数料は、当事者間に実質的に争いのないケースでの事務的な手続を依頼する
場合に適応され、お支払い頂きます。
・ 法律相談料 ( 詳細後述 )
依頼者に対して行う法律相談の費用として、お支払い頂きます。
・ 顧問料 ( 詳細後述 )
企業や個人と顧問契約を締結し、その契約に基づき継続的に行う一定の法律事務
に対して、お支払い頂きます。
・ 日当( 詳細後述 )
出張を要する事件については、交通費、宿泊費、日当をお支払い頂きます。
日当は、出張1回ごとに金額を協議の上で定めて、お支払い頂きます。
・ 実費
実費は、文字どおり事件処理のため実際に出費されるもので、裁判を起こす場合
でいえば、交通費、裁判所に納める印紙代と予納郵券(切手)代、事件によっては、
保証金、供託金、鑑定料、謄本取得費、特殊郵便料、などがかかります。
また、事件終結後の「預り金のご返金」や、任意整理での「債権者返済代行」など
での「銀行振込手数料(送金料)」もこの実費に含まれますが、事務処理の都合上、
この送金料のみ実際の金額では無く、件数制を採用し、1件1,000円と定めて
おります。
全般的な注意1.弁護士の報酬や手数料――特に着手金と報酬金――の額は、
事件等の難易、軽重、手数の繁簡、及び依頼者の受ける利益等を
考慮し、なおかつ依頼者の経済的事情などにより、適正妥当な
範囲内で増減額することができます。
着手金を抑えて、報酬の際に、増額調整する場合もあります。
また、1度に全額の入金が出来ないときは、適正に分割を行う
場合もあります。
受任契約時に、ご相談下さい。
全般的な注意2.弁護士の報酬や手数料には、別途、消費税がかかります。
なお受任契約書は「消費税込み」額の記載を基本としております。
1.「法律相談」
法律相談料には、一般の人が初めて相談する場合の相談料と、
個人の事業や法人についての法律相談料の、二種類があります。
また、初回と2回目以後では、(所用時間とは別に)金額が増減額する場合も
あります。2回目は初回の補足のみで、簡単に終了、といった場合です。
お問い合わせのお電話の時、大まかな相談内容を伝えて頂いた後、所要時間や
相談料などの見当を付け、お伝えしてご了解頂いた後、日時の予約となります。
但し、この法律相談の結果、その場で、正規の事件依頼(受任)となった場合、
下記の報酬規定に移りますので、相談料は不要となる場合があります。
2.「顧問料」
顧問契約に基づき弁護士業務を行います。内容は、依頼者との協議により、
特に定めのある場合を除いて、一般的な法律相談とします。
主に、簡易な法律関係調査、簡易な契約書その他の書類の作成、簡易な書面鑑定、
契約立会、従業員の法律相談、株主総会の指導又は立会、講演、などです。
3.「手数料」( 別表1 参照 )
手数料が必要な場合としては、書類(契約書、遺言など)作成、遺言執行、
会社設立、登記、登録などがあります。
手数料の場合、原則として経済的利益は、弁護士に処理を依頼した事件の対象に
よって算定します。
公正証書にするときは、この金額に3万円を加算します。
例「友人に、300万円を貸すことになったので、市販の契約書を利用して、
契約書を作りたい。手数料は、10万円。
(定型的な契約書の場合で、契約の経済的利益の額が1、000万円未満)」。
4.「通常の民事事件」( 別表2 参照 )
民事事件の着手金と報酬金の額の割合は、原則、着手金1に対して報酬金2です。
民事事件の上訴審を、引き続いて受任する場合、原則、着手金は審級の都度、
報酬金は最終審が解決したときに、お支払い頂きます。
民事事件の着手金・報酬金は、原則として、その事件の経済的利益の額に応じて
決まります。
着手金の場合、経済的利益は弁護士に処理を依頼した事件の対象によって算定し、
報酬金の場合、経済的利益は事件処理によって確保した利益によって算定します。
注1・着手金の最低額は10万円です。
注2・基準額は、事件内容等により30%の範囲で増減することができます。
注3・調停事件については、3分の2に減額することもあります。
注4・手形小切手訴訟の着手金・報酬金は、いずれも、基準の半額です。
別表2を、具体的金額で、ご説明します。
例1「友人の借金の保証人となっていて、300万円の直接請求が来た。
着手金は 24万円(300万円の 8%)。
弁護士が介入した事により、100万円の支払いで和解が成立した。
従って、経済的利益の額は、その差200万円(減額成功額)で、
報酬金は 32万円(200万円の16%)」。
例2「友人の借金の保証人となっていて、600万円の直接請求が来た。
着手金は 39万円(600万円の 5%+ 9万円)。
弁護士が介入した事により、200万円の支払いで和解が成立した。
従って、経済的利益の額は、その差400万円(減額成功額)で、
報酬金は 58万円(400万円の10%+18万円)」。
ちなみに、経済的利益の額を算定することが不可能な場合(認知請求事件等)は、
経済的利益の額を800万円とみなすことになっています。
なお、次項からの「離婚」「破産・民事再生」「任意整理」は、民事事件の中でも
例外的に、基本的な規定が定められていますので、該当箇所をご覧ください。
5.「離婚」( 別表3 参照 )
離婚事件は、家庭裁判所に離婚を求める夫婦関係調整の調停を申立てます。
調停で解決のつかない場合は、地方裁判所に離婚訴訟を起こすことになります。
原則として、「財産分与や慰謝料などの請求を伴わない離婚」だけを請求する調停
申立ての、着手金の標準額は、30万円から50万円の範囲内の金額となります。
そして調停が成立した場合の報酬金の標準額は、着手金と同様に30万円から
50万円の範囲内の金額となります。
調停が不調となり、離婚訴訟を提起することとなったときは、訴訟事件としての
着手金を改めてお支払い頂きます。しかし、引き続いてご依頼される場合は、前記の
着手金額の、2分の1となります。
ただし、離婚事件は必ず調停を経なければならないので、調停での解決が期待
できない場合でも、形式的に調停を申立てることがあります。
このようなときは、最初から離婚訴訟事件として受任依頼したものと考え、
着手金の標準額は、40万円から60万円の範囲内の金額となります。
また、離婚の請求には通常、財産分与や慰謝料などの請求を伴います。
したがって、着手金・報酬金の計算の基礎となる「経済的利益」は、
財産分与や慰謝料などの請求額もしくは認容額を基準として算定した金額
( 別表2「通常の民事事件」参照)を、離婚だけを請求する場合の金額に
「加算」した合計額となります。
例「離婚訴訟事件。
財産分与として1、000万円、慰謝料として500万円を相手に請求する。
経済的利益は合計の1、500万円。難易度の高い離婚事件と判断し、協議の上、
離婚だけを請求する場合の着手金と報酬金(内容別計算「加算」前)は、
「規定の上限」額で確定(各60万円)。
着手金は 60万円+ 84万円(1、500万円の 5%+ 9万円) で
計144万円。
弁護士が介入した事により、請求が全額認容され、離婚も成立。
報酬金は 60万円+ 168万円(1、500万円の10%+18万円)で
計228万円。」。
6.「破産・民事再生」( 別表3 参照 )
「サラ金やクレジット会社に対する借金が膨れ上がり、自分の収入(または経営する
会社の収益)では、とても返済できなくなってしまった――」
このような場合、次項の「任意整理」を含め、「債務整理」を行います。
後述する任意整理ではとても解決しそうに無い場合――例えば、債務が相当に
大きく、分割弁済をするにしても、かなり長期になり、業者の同意が得られそうもない
――基本的な目安として、利息制限法で引き直した総債務額が年収を越える――
場合に、地方裁判所に自己破産の申立を行う方法が「破産」です。
通常、破産の申立を依頼する場合の弁護士費用は、個人の場合、着手金として
30万円、免責決定を受けた場合は、報酬金として30万円です。
企業(法人)の場合、着手金として50万円、報酬金として50万円です。
ただし、いわゆる中小規模の会社の場合、代表取締役(いわゆる社長)個人が
連帯保証をしている場合が多いので、会社と個人の両方で、破産申立することも
あります。この場合は合算し、着手金として80万円、免責決定を受けた場合は、
報酬金として80万円となります(家族も連帯保証をしている場合等は、加算)。
このほか、自己破産申立の「実費」として、同時廃止の場合で、裁判所に納める
予納金や印紙代・切手代、交通費などとして、3万円乃至5万円程度をお預かりし、
必要な分を使用していきます。
何らかの資産があるので、同時廃止で無く管財事件となった場合は、裁判所に
納める予納金(破産管財人・手続き費用)として、個人で最低50万円、企業(法人)で
最低80万円が必要となります(但し、東京地方裁判所管轄下等で「少額管財制度」
適応の場合は20万円)。
「民事再生」は「任意整理ではとても解決しないが、自己破産でも、不都合がある
(資格制限や自宅の継続居住希望など)」場合に、申立が行われます。
「民事再生」も原則として、「破産」と同額に設定してあります。これは、破産と金額を
大きく違えてしまうと、依頼者に「故意に、より報酬の高い事件になった」と誤解され
やすい為です。あくまで、内容により、事件区分が変わることが鉄則です。
民事再生は大きく分けて「事業者の民事再生事件」「非事業者の民事再生事件」
「小規模個人再生事件及び給与所得者等再生事件」に区分されますが、各々で
詳細な報酬規定を定めていないのも、その為です。
なお、上記は全て基本額であり、事件の難易度(担保や連帯保証の有無など)に
より、事前に充分な協議の上、確定させます。
特に企業(会社法人)の場合、「会社整理事件」・「特別清算事件」・「会社更生事件」
などに該当する場合もありますので、より慎重な協議が必要となります。
7.「債務整理(任意整理)」( 別表4参照 )
サラ金やクレジットからの債務(借金)がそれほど大きくない場合の債務整理の方法
として、任意整理(私的整理)という方法があります。
これは、裁判所などの公的機関を利用せずに、弁護士が私的に業者と交渉して、
債務整理を行う方法です。破産とは逆に、利息制限法で引き直した総債務額が
年収以下(一括あるいは数年の分割で返済可能)の場合が、基本的な目安です。
任意整理の場合の弁護士費用は、主に、債権者の件数を基にした「件数制」を
採用しております。
依頼する際の着手金として、債権者数「6件」までは、1件に付き、3万円。
債権者数「7件目」から、1件に付き、2万円を加算します。
個々の業者と和解が成立する都度、報酬金として、着手金と同額(件数による)
をお支払い頂きます。
ただし、着手金額は、通常の民事事件と同様に、「最低額10万円」の規定を適応し、
1件から3件までは全て、同額の10万円となります。
なお、任意整理では、個々の案件(それぞれの債権者)で、交渉の結果がまちまち
であることが通常です。
受任通知を送り、直接債務者本人への督促・取立を行うことを禁止し、取引当初
からの全てのデータを開示させ、そのうえで、利息制限法という法律に基づいて、
残っている債務の額を確定――までは、ほぼ同様の手順ですが、以後の交渉・和解に
おいては、借り入れてからの期間や返済の経過により、
「(1.払う)一括または分割による弁済」や
「(2.無い)債権債務の不存在」や
「(3.戻る)過払い金(不当利得)の返還」など、
様々な内容で「業者との間での新たな契約」を結ぶことになります。
これらの結果が、当「任意整理規定」と極端に不均衡な場合は、改めて協議し、
再決定する場合もあります。
また、前述の「(1.払う)一括または分割による弁済」の和解において、本来は、
和解契約書の内容に基づき、依頼者本人が支払っていくのが基本です。
しかしながら、全ての債権者と同時に和解成立することは稀であり、数ヶ月ないし
数年、弁護士に報酬を支払いながら、順次(和解した)複数の業者へも返済――は、
無用の混乱の元となるようです。
「うっかり支払い忘れた」が重なれば、せっかくの和解も無駄になりかねません。
そのため、当事務所においては、「業者返済代行」を行うことが出来ます。
弁護士報酬と返済用原資、及び送金料(実費説明参照)を含めた額を、ご入金して
頂きます。これは「全ての業者の完済」まで委託されても構いませんし、依頼者の方が
「後は自分で間違いなく出来る」のであれば、「本人返済」へも移行できます。
6−7補足.「(追加)訴訟費用」
「破産・民事再生」や「任意整理」の過程で、当初の予定外に、訴訟等が発生する
場合があります。
「業者が、自宅の仮差押さえを裁判所に申し立てた」場合や「どうしても業者が
和解案を受け入れず、訴訟や調停でしか解決できない」場合、などです。これらは、
前述の「離婚」の場合と同様、新規事件追加としての扱いとなる為、別件として
訴訟費用(着手金等)が加算されます。しかしながら、受任中の事件内での発生でも
あるため、費用については、必ず事前に協議し、決定します。
8.「刑事事件」( 別表2 参照 )
第1に、2〜3回の公判で終結されると予想される事案簡明な事件については、
まず起訴前の事件の着手金は、30万円以上50万円以下となります。
そしてその報酬金は、不起訴の場合、30万円以上50万円以下となります。
また、罰金となった場合は、この金額を越えない額となります。
次に、起訴後の事件の着手金は、30万円以上50万円以下となります。そして、
その報酬金は、執行猶予の場合、この金額を越えない額となります。
刑の軽減があった場合も、この金額を越えない額となります。
第2に、複雑困難な事件については、まず起訴前の事件の着手金は、50万円以上
となります。そして、その報酬金は、不起訴の場合、50万円以上となります。
上限がないのは、それにかかる労力・時間が予測できないからです。
また、罰金となった場合も、50万円以上となります。
次に、起訴後の事件の着手金は、50万円以上となります。そして、その報酬金は、
無罪の場合は、60万円以上となり、また執行猶予の場合、60万円以上になります。
なお、刑の軽減があった場合には、軽減の程度による相当の額が報酬金となります。
9.「少年事件」( 別表2 参照 )
弁護士に支払う着手金の標準額は、家裁送致前及び送致後は30万円以上
50万円以下です。
弁護士の活動の結果、非行事実なしに基づく審判不開始または不処分に終わった
ときは30万円以上を最低額として弁護士と協議して決定した金額、また保護観察処分
にとどまったときは、30万円以上50万円以下の報酬金となります。
10.「日当」
日当とは、弁護士が事務所所在地(東京・新宿)を離れて拘束された場合の、
前述全ての相談・手数料・事件に適応され、別途加算(請求)となります。
交通費や宿泊費などの実費とは別の、あくまでも弁護士報酬の1種です。
例えば自己破産は、依頼者の居住地を管轄する地方裁判所に申立を行う為、
その場所が当事務所より遠隔地の時は、必要となります(基本的目安としては
「東京・神奈川・千葉・埼玉」以外)。
当然、金額については、必ず事前に協議し、決定します。
11.補足.「一覧表内に詳細が無かった規定・事件・案件など」
浅野弁護士が、弁護士報酬に関して遵守してきた、所属する東京弁護士会の
旧「東京弁護士会・弁護士報酬会規」には、これまで述べてきた規定の他にも、
例えば、下記のような場合の詳細がありました。
「交通事故事件の費用」
「土地の明渡しあるいは建物の明渡しの費用」
「賃料増額の費用」
「借地・借家に関する費用」
「境界紛争に関する費用」
「認知に関する費用」
「養育費と子どもの姓に関する費用」
「遺産分割と遺留分に関する費用」
――などですが、いずれも内容例によって膨大な詳細区分となること、
或いは「通常の手数料」「通常の民事事件」などを適応することもある為、
当一覧表からは外してあります。
これらに限らず、例え定型と思われる事件であっても、必ず相談または受任の
ときに、弁護士報酬についてはご説明(協議)があり、ご了解の上で、契約書の
作成・実際の金額の受領となります。